芥川龍之介『鼻』『トロッコ』―自尊心と不安

芥川龍之介の二つの短編を読む教材です。1916年に発表され夏目漱石に激賞された『鼻』では、『今昔物語集』『宇治拾遺物語』の説話をもとに、五六寸もの長い鼻を表向きは気にしないふりをしながら、内心では自尊心を傷つけられて苦しむ禅智内供を描きます。鼻を湯で茹でて踏ませる療治で鼻は短くなったのに、人々がかえってあからさまに笑うようになる理由を、芥川が「傍観者の利己主義」と呼んだ人間の心理から考え、元の鼻に戻った内供が「はればれした心もち」になる結末の皮肉を読み取ります。1922年の『トロッコ』では、トロッコに乗りたいと願った八つの良平が、遠くまで来てから一人で帰るよう言われ、暗くなる道を必死に走って帰るまでの心細さと、二十六歳になった良平が「塵労に疲れた」ときに思い出すあの日の路の意味を考えます。クイズ、フラッシュカード、試験官との対話形式の試験、記述問題で、人物の心理を本文に即して説明する練習ができます。

  • 『鼻』の筋と、内供の自尊心の描かれ方を説明できる
  • 「傍観者の利己主義」の意味を本文に即して説明できる
  • 元の鼻に戻った内供の「はればれした心もち」の皮肉を説明できる
  • 『トロッコ』の良平の心情の変化を場面に沿ってたどれる
  • 『トロッコ』の結末が示すものを自分の言葉で述べられる

Zestly が作成した練習用教材です。本文の引用は青空文庫所収の『鼻』『トロッコ』(新字新仮名版)によります。

サンプル問題

『鼻』の典拠として知られる古典文学作品を二つ選んでください。

答えを見る

今昔物語集, 宇治拾遺物語

『鼻』は『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』に収められた説話を素材として、芥川が独自の心理描写を加えて再構成した作品です。

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