教科書でよく読まれる二つの短編、梶井基次郎『檸檬』(1925年)と太宰治『富嶽百景』(1939年)を読む教材です。『檸檬』では、病気や借金ではなく「えたいの知れない不吉な塊」に心を圧えつけられた「私」が、寺町の果物屋で買った一個の檸檬の冷たさと重さに心を軽くし、かつて好きだった丸善で画本の城の頂きに檸檬を据え、爆弾の空想を楽しみながら京極を下っていくまでを、色や重さ、音にたとえた鋭い感覚表現に注目して読みます。『富嶽百景』では、御坂峠の天下茶屋に来た「私」が、初めは「風呂屋のペンキ画」のようだと富士を軽蔑しながら、バスの中で老婆が指さした月見草に心を打たれ、「富士には、月見草がよく似合ふ」と感じるようになる心の変化を、ユーモアのある語り口とともにたどります。クイズとフラッシュカードで場面と表現を確かめ、試験官との対話形式の試験と記述問題で、象徴の意味を自分の言葉で説明する練習ができます。
Zestly が作成した練習用教材です。本文の引用は青空文庫所収の『檸檬』(新字新仮名版)と『富嶽百景』(新字旧仮名版)によります。
梶井基次郎の『檸檬』が発表された同人誌の名称は何ですか。
青空
『檸檬』は1925年に同人誌『青空』の創刊号に掲載されました。